CPUはパソコンの性能の大部分を左右する重要なパーツです。
CPUを販売しているメーカーは主に「Intel・AMD」がありますが、各社でCPUの名称が違う為性能を比較するにはCPUの
スペックを確認する必要があります。各メーカーの違いやスペックを理解することで、利用用途に合ったパソコンを選ぶ事が
出来ます。この記事ではメーカー「Intel・AMD」の主な違いや性能の比較方法について解説します。
IntelとAMDはCPUの主要メーカー
IntelとAMDは、どちらもパソコンの頭脳であるCPUを製造しているアメリカの大企業です。
基本的にどちらを選んでも高性能ですが、それぞれ得意分野が異なるため、パソコンの使用目的に合わせて選ぶのがおすすめです。それでは両者の特徴と主なラインナップを紹介します。
Intel
シングルコア性能が高いのが特徴です。シングルコア性能の高いCPUは、負荷の高いアプリの使用が得意で、重たくなりがちな操作もサクサク動かせます。例えばアプリの起動が早かったりWebブラウジングの動作が軽かったりするため、パソコン作業におけるちょっとしたストレスが解消されるでしょう。他にもパソコンゲームのような負荷の大きいアプリも動作させやすいので、ある程度パソコンのスペックが要求されるオンラインゲームなどを楽しむ場合に最適です。
AMD
マルチコア性能が高いのが特徴です。マルチコア性能が高いCPUは、複数のアプリを効率良く動かすのが得意なため、マルチタスクに適しています。例えばインターネットで調べ物をしながら音楽を楽しんだり、YouTubeで動画を見ながらイラストを描いたりと複数アプリを開いて並行作業してもスムーズに動作してくれるのが魅力です。
各メーカーのモデルを比較してみる
各メーカーのCPUにはモデル(ランク)があり、下記表のような位置づけになります。
両メーカー共に、モデル名後ろの数字が大きくなるほど高性能なモデルになります。
Intel社 AMD社 | |||||
---|---|---|---|---|---|
区分 | モデル名 | コア/スレッド数 | モデル名 | コア/スレッド数 | |
業務用モデル | Xeon | 最大56コア/112スレッド | Ryzen Threadripper | 最大64コア 128スレッド |
|
最上位モデル | Core i9 | 最大8コア/16スレッド | Ryzen 9 | 最大16コア 32スレッド |
|
上位モデル | Core i7 | 最大8コア/16スレッド | Ryzen 7 | 最大8コア 16スレッド |
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中位モデル | Core i5 | 最大6コア/12スレッド | Ryzen 5 | 最大6コア 12スレッド |
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下位モデル | Core i3 | 最大4コア/8スレッド | Ryzen 3 | 最大4コア 4スレッド |
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廉価モデル | Pentium Celeron | 最大4コア/4スレッド | A12 A10 A8 A6 Athlon |
最大4コア |
モデル毎の推奨使用用途は?
各メーカー・モデル毎に推奨用途を纏めると下記表のような位置づけになります。
基本的に性能が高くなると販売価格も高くなるので、用途に合ったモデルを選ぶとコストも抑えられます。
性能 | Intel社 | AMD社 | 概要 |
---|---|---|---|
高 | Xeon | Ryzen Threadripper | 業務用向けの超ハイエンドCPU。 サーバーや高いマルチスレッド処理を求めるクリエーター向け |
Core i9 | Ryzen 9 | 一般ユーザー向けの最上位クラスで、サクサクとオンラインゲームをしたい、 動画配信をしたい人などにおすすめのハイエンドCPU |
|
Core i7 | Ryzen 7 | ゲーミング性能は上位機種に負けない性能を発揮し、画像や動画編集などもこなせる | |
Core i5 | Ryzen 5 | 軽めの動画編集やゲーム、本格的な資料作成など一般的な用途ができる | |
Core i3 | Ryzen 3 | ネット閲覧や動画視聴、簡単な資料作成などライトな用途なら十分にこなせる | |
Pentium | Athlon | 低価格で簡単な動画閲覧や資料作成が出来る | |
低 | Celeron | Aシリーズ | ネット閲覧やメール利用程度であればおすすめ |
CPU発売年月のチェックも忘れずに
CPUを選ぶ時はモデル名だけで判断しないよう注意しましょう。例えばCorei i7 が最初に発売されたのはなんと2008年!
10年以上も前に発売されたモデルが今でも販売されていたりするので、モデル名だけで選んでしまわないよう注意しましょう。
また、CPUは大きく世代で分けられており世代からCPUの発売年月を調べることも可能です。
例えば「第9世代、第10世代、第11世代…」というように世代で区切られているので、一度理解してしまえば世代だけで
発売年月を当てることが出来ます。高性能と言う文言に騙されないためにも、CPU世代の見分け方などご紹介している
下記記事は要チェックです!
CPUの実力はベンチマークでもわかる
パソコンの性能の大半は、CPUの性能に左右されます。そんなCPUの性能を判断する基準として、ベンチマークがあります。CPUの性能を数値であらわしたもので、ベンチマークのスコアを見ることで、どれだけの性能があるのかが分かるのです。
ベンチマークテストのひとつにPassMarkがあります。PassMarkはPassMark Software社が提供するベンチマークテストを行うソフトウェアのことで、一般的にはこのソフトで計測されたスコアを指します。広く使われているベンチマークソフトウェアなのでベンチマークソフトウェア紹介サイトでも上位に表示されることが多いです。
- PassMarkで分かること
CPUに複数の計算やデータ処理のタスクを与え、それをどれだけ迅速にこなせるかを測定してスコアとしてあらわします。つまり、CPUのPassMarkのスコアを確認すれば、どれくらいの性能があるのかが分かるのです。
スコアの数値が大きければ大きいほど性能が高く、データの処理を高速に行えることを意味します。
利用用途に応じたCPUスコアの目安
調べたCPUのスコアを下記表に当てはめると、利用用途に合ったCPUなのか確認することが出来ます。
PassMark Software社のWebサイトへアクセスし、CPUスコアを確認してみましょう。
「Find CPU」と言う所に、調べたいCPUの型番を入力するとスコアが表示されます。
PassMark (CPU Mark Rating) |
具体的な用途 | 評価 |
---|---|---|
2,500~ | シンクライアント端末、IoT端末 | 特定のソフトウェアを動作させる専用端末としては使用できるレベル。汎用的な業務用途には耐えない。 |
3,000~ | チャット、メール、インターネット閲覧Word、ExcelなどのOffice製品の利用 YouTube動画視聴 |
パソコンへの負荷が比較的軽い用途のため利用はできるが、 動作が重くストレスを感じるレベル。業務で利用する場合にはあまり効率的とはいえない。 |
7,000~ | 上記に加え、Web会議や社内基幹システムの利用、画像編集 | パソコンへの負荷が比較的軽い用途では問題なく利用でき、 動作も軽くストレスを感じることはない。Web会議や基幹システムの利用など業務で利用することも可能。 リモートワーク用のパソコンに求められる水準。 |
20,000~ | 上記に加え、3Dゲーム、動画編集、3DCAD | パソコンへの負荷が比較的軽い用途、Web会議や基幹システムの利用は動作が軽く快適。グラフィックカードの搭載を前提に、3Dゲームのプレイ、軽微な動画編集や3DCADも可能。 |
30,000~ | 上記すべての用途 | パソコンへの負荷が比較的軽い用途、Web会議や基幹システムの利用は動作が軽く非常に快適。グラフィックカードの搭載を前提に、3Dゲーム、動画編集や3DCADが十分に可能。 |
50,000~ | 上記すべての用途 | 上記のあらゆる用途で快適な操作が可能。動画のエンコード時間の大幅短縮、3DCADや3Dゲームでも画像・映像をより滑らかに表現できる。 |
CPU以外のスペックも要チェック
PassMarkは、いくつもの総合ベンチマークの中で最良と言えるわけではありませんが、市販PCに採用されているほぼすべてのCPUのスコアがWebページに公開されており、その値を検索により簡単に知ることができる点で優れています。
しかし、パソコンの性能は「内蔵するCPUの性能と記憶装置の構成(メモリ容量、ストレージの種類[SSDかHDD])でほぼ
きまります。「性能の良いCPU、メモリ容量、適切なストレージ構成」がパソコンを選ぶ上では最大のポイントになります。
下記記事では現在使われているパソコンのスペックの確認方法や、どのような基準で選べば良いかを本記事とは異なる視点で
解説していますので、購入時参考にしてみてください。
まとめ
パソコンの性能はCPUスコアだけで決まるものでは有りませんが、1つでも自分の中で基準を設けておくと買い替えることになっても次買うパソコンに迷う確率はかなり低くなるかと思います。頭脳であるCPUが決まれば、あとはメモリ容量やストレージ
種別、グラフィックボードの有無など利用用途に応じ選んでいただければと思います。
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